電車で出会った彼女

電車で参考書を読む

あれは僕がまだ高校３年生の時のこと。

約１時間電車で揺られながら学校へ通う毎日。彼女に出会ったのは、その毎日の通学電車の中でした。

その子はいつも車内でも参考書を広げて勉強していました。それもそのはず。制服を見れば、地元でも有名な頭のいいお嬢様学校です。

僕は、そんな彼女をいつも可愛いなと思いつつ眺めていました。ただ、どうしても声をかける勇気が湧きません。何もできないまま、約３ヶ月が過ぎました。思いは募る一方。受験生だというのに、ろくに勉強も手につきません。

そして時は12月。もうすぐクリスマスです。そんなクリスマスの華やいだムードにも後押しされて、告白することを決意しました。

僕は朝早めに家を出て、毎朝彼女が乗ってくる駅で降りて、彼女がやってくるのを待ちました。すると、いつもの時間に歩いてきます。田舎の駅なので、朝の通学時間でも人はまばらです。

そこで「すいません！」と声をかけ、「あなたのことが好きです！友達からでもいいので付き合って下さい！」と思い切って直球を投げたのでした。

彼女はびっくりした様子でしたが、すぐに「ごめんなさい！私、受験生なので！」という返事。そうです。僕はバッサリと斬られてしまったのです。

僕も一応受験生なんだけど…(^_^;)

結局、告白は成功しませんでしたが、彼女とはその後はよく隣の席に座って話すようになり（ま、あくまで友達ですが）、気持ちはスッキリしました。おかげで勉強にも集中できるようになり、２人ともそれぞれの志望校に受かりましたとさ。